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20110723 Sat
ニュースの深層7/5 「子どもたちへの被曝、健康への影響を考える」 

ニュースの深層7/5 「子どもたちへの被曝、健康への影響を考える」 

上杉隆さんと西谷祐紀子さんキャスターのニュースの深層、7/5放送分。
今回は、小児科医で「子どもたちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク」代表の山田真氏を迎えて、福島の子どもたちの健康をテーマにした内容です。


詳しくは書き起こし本文を読んでいただくとして、まずは気になるお子さんへの健康情報をまとめてみました。


■鼻血・下痢について
ネットなどでよく言われている鼻血と下痢は、放射能を大量に浴びて起こる急性障害の症状。いま、子どもたちに懸念されているのは、低線量を浴び続けることで起こる晩発性障害なので、鼻血と下痢については放射能の症状とは言えない。ただし、長時間出血し続けたり、大量に出血するような異常な鼻血は医師に診せる必要がある。

■放射能被害の治療について
現状の医学では浴びてしまった放射線を取り除く治療はない。ただし、放射線被害が引き起こす病気である甲状腺ガン、白血病は、早く発見して治療をすれば治る病気。早期発見が重要。

■いつまで家に引きこもっていなければいけないのか
今出ている色々なデータを信じれば、放射線はだんだん少なくなっているので、以下のことを気をつけながら外に出てもいい。雨の日は気をつける、水溜りに気をつける、どぶのようなところへ行かない。外部被曝というものはある程度は避けられないものなので、それよりも内部被曝を気をつけて生活をする。

■内部被曝を避けるには
福島の子どもの場合、とにかく福島のものは食べないこと。安全なところ、少なくとも西日本ぐらいから運ばれてきたものを食べる。

■将来のためにすべきこと
3月11日以降の生活記録をつける。
髪の毛を取っておくことも証拠になる。
行政が行う公害の被害者に行われる健康診断は、残念ながらなるべく補償を少なくするための健康診断なので、それとは別に健康診断をしておいたほうがいい。
※生活記録については、生活記録用のノートを配布しているネットワークがあるそうです。
※健康診断については、「子どもたちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク」でも行われるようです。


以下、書き起こし
----------------------------------------

上杉:今日のニュースは・・私もここ数カ月間、取材の中で頭の中が放射能でいっぱいなんですが、その震災の復興のほうですね、復興で担当になった松本龍さんが、今日、辞意を表明したということで、永田町取材にはちょっと遠ざかっているんですが、背景にあるのは松本龍さんの、当然ながら失言というかですね、村井宮城県知事、達増岩手県知事と会ったときに、特に村井知事に会ったときに、傲慢なように映るような発言があり、結果としてその責任をとる形での辞意となったわけですが。

永田町に15,6年いる立場からすると、大臣がああいう形で地方の首長ならびに地方の役人等を強い言葉でいうのは、そんなに見かけない風景でもないんですね。ただ、それまでそういう風景は、記者も含めてみんな知っていたんですが、単に出さなかっただけと。

今回も、松本大臣は村井知事を叱責したあとに、これはオフレコだぞと、周りの記者たちにいいました。普段、このオフレコだぞと言ったら、報じられません。これが永田町を取材する大手メディアのルールです。勝手に自分たちでルール作ってるだけなんですが。
つまり、オフレコを守る、政治家のいいなりになるんですね。

ところが今回、東北放送の記者がこれを流したわけです。つまり、オフレコ破りなんですが、これは地方のローカル局ということもありますし、被災地の放送局からすると、そんな傲慢な話はあるのかと。

必ずしも、松本大臣が正しくて、村井知事が善人というわけではないんですが、ただ、あの言い方はないだろうということで、東北放送が流したところ、それまで一文字も書いてなかった新聞やテレビが、こっそり様子を窺うようにして、やっと報じ始めたのが昨日、一昨日、そして、そのメディアの逆の圧力に負けて、松本大臣が辞意を表明したというのが一連の流れということなのですが、

もう一つ、マスコミがオフレコを報じないという、この記者クラブの体質。これはもうこの火曜日、耳タコ状況で(笑)続けていますが、今回もまたそういうことがあったのかと。で、ここに改善を求めるのは時間の無駄なので、

そういうことよりもむしろ、なぜ急に辞めたかという部分で一つ考えると、端的には菅内閣、菅総理が今後迎える8月末までの国会会期末にむけて、3法案抱えてるんですね。特例法案、ならびに第二次補正予算、そしてなんといっても自然再生エネルギーの法案ですね。この3つを通すと。そのために70日、衆議院行って否決されても、参議院、そして衆議院に戻って可決を予定してるんですが、これで松本大臣がねばってしまうと国会が止まってしまう。そうすると逆算しても合わなくなる。つまり、国会上の理由として、結果として辞めざるを得ないという、党内からも圧力があった。

いま話をした中で、マスコミのメンツ、これが一つ。そして国会の都合、政治家の都合、これが二つですね。それで松本大臣が辞任したと・・・一つ大事なことが抜けてますね。被災地の方。そして現在も避難を続けています住民の方、そこの気持ちが全く抜けている、こういうような松本大臣の辞任劇だったので、取材する気もおきずに、いま取ってつけたように言ったんですが(笑)

ということで、今日のニュースは松本大臣の辞任の背景についてお話をしました。


上杉:はい、今夜のゲストは、小児科医で、子どもたちを放射能から守る、全国小児科医ネットワーク代表の山田真さんです。あらためてよろしくお願いいたします。

山田:はい、お願いします。

上杉:今日もツイッターとかで質問募集してるんですが、いまいきなりですね、こんなツイッターがきました。「山田さん、うちの保育園の園医です」園医ってことは、保育園のお医者さんってことですよね?

山田:そうっですね。

上杉:今現在、東京・・・

山田:多摩市ですね。

上杉:もうさっそく本題なんですが、東京とかそのあたりでも、放射能の汚染状況を気にしてる親御さんたくさんいるんですね?

山田:そうですね。

上杉:実際のところ、放射能を気にする必要があるのか、あるいはやはり、ちょっと注意した方がいいのか、どちらなんですか?

山田:(しばらく考え込んで)気にするしかない、でしょうね。

上杉:政府の発表だと、福島の人たちには、一応いろいろなことを言っていますが、情報を含めて。東京は、基本的には、さきほどの審議官の人の話ではないですが、全く問題がないということをいまだに言い続けていますが、本当に問題ないと言い切っていいのかどうか、ずーっと疑問ではあると思うんですが。

今回、福島の方ふくめて、かなりのサンプル数を調査されたということなんですが、実際のところ、この調査の結果を受けて、どういうような印象を持たれました?

山田:それはあの、あんまり取り上げられていませんけども、提言として多少まとめてはいるんですが、もともとこういうことを始めたきっかけについてから、お話ししておこうと思いますけれども。
3月11日以来、私も、一応、原発には反対するというふうに、まあ、言ってきて、いて、で、ああいうことになって、で、たまたま昨年、僕がずっと連載している「母の友」という雑誌の誌上で、医療被曝について、1年ぐらい、書いたんですね。

それはまあ、日本ではレントゲンの取りすぎということが、もともと言われていて、特に、CTが始まってから、世界でも例がないほどたくさんのCTが撮られていて、その意味では、ものすごく放射線を浴びてると。

特にヨーロッパなんかで、日本はもともと広島長崎で放射能の被害を受けてる当事者でありながら、あんなに放射線に対して無関心、無防備なのは、なぜだろうと、訝しがられていて、今の、日本の、レントゲンをやたらに撮ってる状況だと、レントゲンの利益よりも、害の方が、ひょっとすると多くて、レントゲンの撮りすぎでガンになっちゃう、という人が、かなりの数、出てるんじゃないかっていう警告があって。

それに対して、日本の放射線の専門家たちが、もともとそういうふうに言う根拠になっているのは、広島の被爆者の状況から、それをもとにして推定して言ってるだけであると。で、広島の被曝の仕方と、レントゲンでの被曝の仕方は全然違うものなんだから、そういう広島のデータをもとにして言われても根拠がない話で、別に取り上げる必要もないと、言ってたわけですね。

それにしても、異常なほどレントゲンが撮られているということがあって、ちょっと考えなくちゃいけないんじゃないか、ということを、去年、雑誌に書いたりして。

上杉:それは震災前にずーっとやられていた連載ですよね?

山田:そうですね。そんなときにこれ(震災)が起こってしまって、自分としても非常に残念というか・・・これも非常に変な話だけども、割合、原発を推進している人たちってのは、反省してないというか、悔やんでいなくて、反対していた人間の方が落ち込んだっていうのが、変な話だとは思うんですけども。

僕も11日以来落ち込んで・・・。自分ではもう一生ウツになんかならない正確だと思っていたんですけど、ちょっとウツ状態みたいになってて。で、何かしなきゃいけないんだけど、何をしようか、っていうふうに思ってたんですね。

で、小児科医の中でアピールぐらいしようってことでアピールはしてたんですけどね。で、そういうときに福島から話があって、最初は僕に個人的に子どもたちの状態を見に来てくれって話があったんですが、

上杉:健康相談会みたいな感じでしょうか?

山田:健康相談会という形ではなくて、とにかく一度、見に来てほしいという話だったんですね。でもそれは個人では背負えないくらいの大きな話だったんで、急遽、放射能から子どもを守る小児科医の集合体、っていうことで、ネットワークを立ち上げて、できるだけ多くの人が福島に来てくれて。

で、とにかく、子どもたちの実情を見たり、親御さんたちがどう思ってるかということを、とにかく知って、そのことを全体に伝えるということをまずしたいということで、福島のネットワークの人たちと話をして、相談会もすることになったんですね。

上杉:福島のお母さんたちとのネットワークと一緒に

山田:そうですね。そこへ連動する形で。

上杉:そこで健康相談会みたいな形でお話をされたと思うんですが、逆に、お母さんがたを含めた福島の人たちの反応というのは、お話というのはどうだったんでしょうか。

山田:そういうことをやることについて、私たちの方に文句があるっていうようなことは無かったですし、相談会自体は、こういうの盛況と言っていいかわからないけども、非常にたくさんの人が来られて、私たちもそういう人たちからいろんなことを知ることができて、それはそれなりの意義はあったと思いますし。

やっぱり一番びっくりしたのは、福島の人たちが、ものが言えなくなっているということです。不安なんだけども、不安なんだということを口に出してはいけないっていうムードが、全体にできあがっているみたいで。最初に私たちが聞いたときに、例えば、近所のお医者さんのところにいって、子どもの調子が悪いんだけどもこれは放射能のせいじゃないか、って話をすると笑い飛ばされるとか、取り合ってくれないとか、嫌な顔をされるとか。

それは医師会という組織的なレベルでそうなっているのかどうかわかりませんけども、とにかく福島全体で、原発の安全神話は崩れたけれども、今度は放射能の安全神話みたいなものが、福島はそんなに酷いことになっていないと、そんなに不安に思う必要はないので大丈夫なんだっていうことを、県が一丸となってアピールしている状態の中で、そういうものに水をかけるような、不安感を煽るような行動というものは、すごく嫌がられると。

だから、本来は現地のお医者さんがみてくれるのが一番いいんですけども、現地のお医者さんも、これに関わりにくい状態になっているということですね。

上杉:震災直後に自由報道協会の面々はですね、福島に入っていろんなことをやっているんですが、やはり、山田さんが仰る通りですね、危ないと言ったりすると、あるいは子どもを逃がすとかすると、コミュニティから外されるようなことになってしまうと。
そうすると、言わないで、とりあえず、安心です、安全ですという方を信じてる方が、楽だということらしいんですね。

でも結局そうなるとですね、25年前になりますけど、教訓がありますよね。チェルノブイリも全く最初は同じだったと思うんですが、結果は今見てのとおり、未だに、放射能被害に苦しむ子どもたち、同時の子どもたちがたくさんいると。もしかして日本も同じ状況になってしまうんじゃないかという心配があるんですが、そのあたり、可能性としては、お医者さんの立場からどうなんでしょうか。

山田:実際にいま、どのぐらいの放射能が漏れていて、どのくらい被ばくをしているのかがよくわからない、ものですから、とても予想がたてにくい、とは思いますけども。少なくとも今の段階で、多くの地域の人が被ばくしている状態が続いているわけですから、少なくとも、子どもたちに影響がないはずはない・・・ので、その影響がどのくらいになるかはわかりませんけれども、非常に心配な状況だとは思います。

上杉:ツイッターで質問が来ていますが、ここ1ヶ月くらい、福島の子どもたちの中に、鼻血を出すお子さんが増えているという話が出ているんですが、このあたりはどうなんでしょうか。

山田:僕らが心配してるのは、急性障害と、いわゆる晩発性障害があります。大量に被曝してすぐに起こってしまう症状が急性障害で、低線量の被曝を受けてしまった場合は、時間が経ってから症状が出てくる晩発生障害と言われるものですね。

僕らはやはり晩発生障害の方を心配してるので、急性障害の方は、ほとんどないだろうと、思ってはいるんです。ただ、あんまり被曝の量がわからないのに先入観を持って入ってはいけないので、とにかく実情を見よう、ということでしたけども。

ただ、肥田舜太郎先生なんかは、かなり鼻血と下痢に気をつけろと言われたものですから、たまたま鼻血と下痢が出て、下痢になっちゃった子どもなんかが、心配して来るというのは、福島じゃなくても、東京なんかでも、私のところへそれで診察に来るお母さんはいますから。

ただ、私たち医者が、鼻血って言っても心配するのは、非常に長時間止まらない、30分とか40分とか止まらないような鼻血ですとか、鼻だけじゃなく口から溢れるような大量の鼻血だとか、異常な鼻血なんですね。ふつうの、ちょこちょこ出る鼻血というのは、あんまり問題にしなくていいだろうと。
やっぱり白血病だとか血液の病気の前兆として起こる鼻血が心配なので、それは出血傾向という血が止まりにくいじょうたいですね。そういう鼻血は、今回の場合、見た限りでも、なかった、ようです。

ただ、なんていうか、例年だったら今頃、季節的に鼻血が出る時期なんで、みんな心配しなかったんでしょうけど、やっぱり今年は鼻血っていうと、放射能、というふうに連想してしまうので、心配になる人はたくさんいると思いますが、今のところ心配になる鼻血ではないですし、急性障害は出てないだろうと、思います。

上杉:なにしろこれ、政府、自治体含めて、きちんと情報を発表しないから、こうやって余計な不安とかを煽るわけで。こういうことを、厚生労働省も、文科省も、自治体も含めてちゃんとやってれば、とくに政府ですね。

あと特に、山田先生も仰ったように、何が心配かというと、むしろ、急性よりも、内部被曝をずーっと続けることによって、今後将来、今の子どもたちが大きくなるにしたがって、甲状腺ガンや小児ガン、あるいは白血病とか、そういう形での症状が現れる方が怖いわけですよね。

これに関しては、福島の住民の方、特に親御さんはその辺の知識とか情報というものは、入っているんでしょうか。

山田:少なくとも私たちのところへ相談に来られた方は、持ってますね。定量被曝について、かなりの知識を持ってられると思います。

上杉:それを何か防ぐ手だてはあるのか、治療を含めたアドバイスというのはされたんでしょうか。

山田:放射能被害というのは、治療法というのはないわけですよね、今のところ・・・。治療法がありませんし、ある程度、例えば、甲状腺ガンというのは、幸いなことに、ガンの中では治療が奏するガン、と言っていいですから、早く見つければ、かなり助かる、ということがありますし、白血病の方も、いま、早く見つければ、かなりの率で、治りますから、個々の病気について言えば、早期発見すればある程度の治療ができると思いますけども、でも将来的に、早期発見よりも予防という感じで言えば、予防する方法というのは、今は、ないわけですよね。そうするともう早期発見しかない・・・

上杉:もう一つ、予防といえば、まさに、放射能の線量に触れる部分を少なくする、つまり、せめて、これもずっと言われていますけども3月以降、子どもと、妊娠されてる女性の方、もしくは妊娠する可能性のある女性の方、これからお子さんを産むような女性だけでも、避難することができないのか、あるいは遠くに行くことができないのか、ということは世界中から言われてるのですが、日本政府だけが頑なに無視している状況なんですが、このあたりの予防についてはどうでしょう。

山田:僕らも、当日話を聞いて、実際大変な状況の人がたくさんいて、もうとにかく外に出るのが怖くて、子どもと一緒に窓を閉めてずっと閉じこもってるという状態が、もう数ヶ月続いているという状態の人が、けっこういるわけです。

上杉:逆に、別の病気になりそうですね。

山田:そうですね。だからふつう子どもって、僕らが見てて、例えば水疱瘡みたいな日常的な病気になってですね、一週間外に出ないように、って言っても、4日目くらいになると、かなりストレスがたまってきて、家中殺伐とした雰囲気になったりするんですけど、これがもっと、とにかく閉め切った状態でいて、数ヶ月と渡っているわけですから、これはもう本当に大変な状況で、でも、子どもたちもよく耐えてるなと思うんですけど、このごろ暴れてしょうがない状態なんです、っていう子は少ない状態なんですね。ただやっぱりそれは、非常に大きなストレスを抱えながら耐えてる状態なので、これはなんとかしなきゃいけないと。

だから、外部被曝の方は、ある程度避けられないし、一応、いろんなデータを信じれば、だんだん、被爆量が少なくなってはいるだろうから、まあ、雨の日は気をつけるとか、水たまりに気をつけるとか、どぶのようなところへ行かないとか、っていうようなことを気をつけながら、ある程度は外へ出て、それで内部被曝の方を気をつけようと。それが一番いいのではないか、

って言うんですけど、この内部被曝について、僕らもびっくりしたんですけど、どうも福島産の食べ物を、福島産の野菜なんかを、福島の人が一番食べてる状態じゃないかと・・・。

上杉:ええ。地産地消というのをいまだに政府が言ったり自治体が言ったり、あるいはNHK含めて大手メディアが地産地消と。ちょっとこれは海外のメディアを含めてかなり批判的に扱っていたんですが、

山田:とんでもないことだと思いますよね。だから時々ああやって総理大臣がカイワレ食べて噎せたりするようなパフォーマンスをやるけれども、あんなものはあのとき食べるだけの話であって、あんなことで安全だという保証にもなにもならないのですが、福島の場合はとにかく自分たちが食べて見せるということしか、安全ということを思ってもらえる方法がない、ということで、頑張って食べてる、ということですよね。

学校給食なんかについても、親御さんで心配して、せめて給食は他のところでとれた野菜を使ってほしいというと、やっぱりそれもなんか・・・白い目で見られるっていう。

上杉:それもまたムードですね。最初に山田先生が仰ったように、要するに、放射能を気にしすぎると、親御さんのみならず、子どもさんも学校で、放射能を怖がってるのかと言って、いじめの対象みたいになってしまってるという。実はこの雰囲気を作っているのは社会、特に政府とか自治体とか権限をもってるところが大丈夫だって言ってるために、こういうことになってしまっているわけですよね。

山田:そうですね。いままでやっぱり公害だとか何かで、患者さんと言われる人たちが、地域の中で、そういうふうに、何か地域の恥みたいなことで、いじめられてきたわけですけれども。今度はなんていうか、総体が被害者っていう中でですね、みんな何か被害者じゃないように振る舞わなければいけないっていうことになってる、という状態ですから、非常に辛いというかキツイというか。

最初の相談会のときにも、牛乳を飲みたくないっていう、牛乳を飲ませたくないっていうお母さんがいらしたんですけど、やっぱり野菜も怖いけど、牛乳なんかが特に怖いという感じがあって、それも保育園や幼稚園で、牛乳を飲みたくないって個人的に言うと、すごく怒られるっていう・・・。牛乳についてはわりあい普段から栄養神話みたいなものがあって、子どもはあれ飲まないと生きていけないっていうように考えてる人が多いもんですから、牛乳飲まないっていうとバッシングされるっていうことは一般にもあるんですけども、今回は特にそういう傾向が強くて。

上杉:ウクライナでもベラルーシでも、牛乳を飲んでて内部被曝したお子さんがいますし、もちろん牛乳だけではないんですが。野菜もそうだったり、ありとあらゆる食べ物が放射能を内部に取り込む媒体と化してしまったわけですよね。

ところがいま日本は、基本的にはその部分は大丈夫だと。確かに大人は大丈夫かもしれませんが、子どもはダメだというのが世界的なルールなんですが、小児科医の立場からして、それを同じようなレベルで扱うという政府の方針、例えば20ミリシーベルトの、それはどうなんですかね。

山田:いろんな検査の基準でも、大人と子どもは違うようにするんですが、いま云々されてる中では、例えば赤ちゃんなんかだったら、大人の10倍ぐらいの感受性があると考えなければいけないんですけども、そうすると、大人で20でよければ子どもだと2ミリシーベルトで、という話になるわけですが、そういうことが全く言われてないというのは、それはもう、ある意味では、子どもを守る気が全くないという、うん・・。

上杉:チェルノブイリですら、小さい子は3ミリ(シーベルト)でしたよね。日本は20ミリだと。WHOは1ミリですよね。なんでこの日本だけが、しかも突然その限度量を上げてしまうと。これはもうきりがなくて、言い出してしまうと毎週同じことを言い続けてしまうと。

この政府の対応というのも、もう政府とか自治体とか社会とかマスコミとか、そんなことに頼ってて、結果として、ほら、子どもたちを被曝させて健康障害与えたじゃないかと、親が言ってもそれは手遅れになってしまうわけなんで、自分たちが防衛するわけです。防衛する以外にないわけなんですけども、そのお母さんたち、毎週たくさん見てくださってると思いますが、福島のみならず周辺も含めて、お母さん、お父さんももちろんそうですが、お子さんを守るために、まず食べ物の部分で何を気をつけなくてはいけないかと、そういうところはどこなんでしょうか。

山田:福島の人で言えば、もうとにかく福島のものは食べないで、安全なところの、少なくとも西日本ぐらいから運ばれてきたものを食べるっていうふうに、実際にそういうことをプロジェクトとしてやっている方もいるみたいですけれども。

で、こんなこと法律で決めるわけでには行かないけれども、危険なものは60才以上が食べるようにするとかですね、例えばこの範囲の人は気をつけてこういうものを食べて、この範囲の人はこの程度なら汚染されたものを食べても大丈夫だから、というようなことを、はっきり言うべきだと思いますね。

私なんかも、自分のところでは孫には気をつけるけども、自分はある程度、福島のものを食べるようにはしようと、思ってるわけで、それはもう全体として考えていくしかしょうがないですね。

上杉:まさに子どもたちとか全く責任ないわけですから。少なくとも大人たちは、60才以上も50才以上も、この国を作ってきて原発を推進してきた、これは推進派も反対派も含めて、全体として責任があるということと、あと、甲状腺に溜まりにくいと。放射能に対する耐性も、子どもたちは弱いんで、いま言ったように、60才以上の方が、少し線量の高いものを食べるというような、社会全体で放射能と付き合うという感覚を持たなくては駄目だっていうことですよね。

山田:そうですね。ただ、本来は、誰でも、60才をすぎても安全なものを食べてた方がいいわけで、いまみたいな状態ですからこういうことになるわけですから、これはやっぱり、なんていうかな、福島の人たちだって、お野菜作っている人だって、実際つくってみて作り上げたところで、汚染しているから売れないとか、あるいはいくら福島で安全だって県を上げてやってみても、他の土地の人はなかなか買ってくれないとか、そういう不安というものはありながら作っている。しょうがなくて作っている、というところがあるんじゃないか、と思っていますから、それはもう作らなくても生活できるように、ちゃんとした保証をするとか、あるいは買い上げるとかいうことをきちんとやるべきだと思いますし、

上杉:まさに政治の責任であるし、大失政の、東電も含めた、企業の、大人たちの責任ですよね。その責任を子どもたちに押しつけるというのはひどいですが、ただ、そういうふうに、不幸なことに、日本は、ろくでもない政府と、企業とマスメディアを持ってしまった国なんで、自己防衛という意味で、もう一つ伺っておかなくてはいけないのは、3月11日に発災して、当日に1号炉、翌日には3号炉が爆発して、結果的には外部被曝も受けていると、周辺の方は。あのときは安全ですって言っていましたから。さらにその後内部被曝を続けているんですが、自分たちが将来、被爆者として何らかの補償を受けるために必要なことというのは何かあるんでしょうか。

例えば原子力損害賠償法では、東電の事業主は免責になる可能性が高いわけですね。かといって政府の方も、全体的に、過去のいろんな公害裁判を含めると、全額補償なんて言ってくれたことはない。ましてや、やっと補償がきいても何十年も後。

ということを考えると、自分たちの身を守るということで、何かいい手はないのかなと。

山田:私は、自分が小児科医として最初に関わった運動は森永ミルク中毒。その後、水俣なんかも見てきました。いま福島でも健康診断が始められようとしていて、非常に怖いんですけれども、一般に公害やなんかの健康診断というのは、なるべく補償を少なくするための健康診断になっちゃってることが多いんです。

森永ミルク中毒なんかもそうですが、補償の段階では、被害者であることを証明するためには、ミルクの瓶を持ってるとかいうことがないと、っていうのがあったんですが、今回の場合は健康調査が行われていて、私もちょっと調査票や何かを見ましたけども、当日の食事だとか、当日の行動だとかいうのを全部、記録してないと、被害者と認定されなくなるんじゃないかみたいなですね、で、しかもその記述や何かで被爆量が適当に計算されて、勝手に決められて、それでその補償がされたりされなかったり、みたいなことが起こるんじゃないか、と思うんですね。

だから私たちの方で、ある程度ちゃんとした健康診断をやって、相談会をやって、記録を持っておいて、その人の行動についてちゃんと証言できるようにしておかないといけない、と思ってますけど。

上杉:先月、先々月にも、この火曜日に言ったんですが、3月11日の事故以降、できたら、メモ帳でもいいから、ぜひ記録をつけて頂きたい。お母さんがたは。お子さんのため、将来を考えると。で、先生いま何か・・・

山田:生活手帳ね。これネットワークの方で作られて。

上杉:こういうものが、いま(画面には「母と子の健康&行動記録 生活手帳」の表紙が)、これはネットワークの方で作られてるものですよね。

山田:ええ。ネットワークの方で作られて。

上杉:それで、こういう形でこれ何かっていうと、こういうふうになってます(画面には生活手帳を開いた映像が)。開くとですね、こうやって1ページ目が3月11日になってます。カレンダーのように1月1日じゃないんです。つまり、行動記録、これをこまめに書きましょうと。所在地、行動、体調、出費や食事メモ。こういう形で、ぜひ書いて頂いて、そして、国も、企業も、マスコミも、最終的には責任逃れをします。残念ながら、日本では。これは、過去の歴史が証明してるんですが。自分の身は自分で守る、お子さんも含めて。こういうもの(生活手帳)が、最終的には武器というのも変ですが、大事なものになるんで、これ(生活手帳)は7月24日まで作られているんですが、福島原発はまだ止まっていません。放射能も外部に出てます。こういうのを作って、それぞれの行動記録を残すということが、結果として、お子さんたちの健康、そして、人生、生活を守ることになるかと思いますね。


~CM、上杉さんの本の宣伝など~


上杉:質問が来てます。さきほど、レントゲン写真の被曝が日本では多すぎるということなんですが、このツイートだとですね、イギリスではケガや病気でもしない限り、一生レントゲン撮影などしない、という方もいらっしゃるんですが、イギリスで、(日本で)毎年X線胸部検査を受けていたといったらびっくりされたと。私も小学校のときね、西谷さんもそうですよね。

西谷:そうです。ちょっとケガをするとすぐに、じゃあレントゲン撮りましょうと。

上杉:あれ、ないんですか?

山田:ほとんどないですよね。だいたい健康診断というものを、あまりやらないんですよ。欧米では・・・まあ、欧米がやらなければ、それ以外の国はもっとやらないと思いますけど。人間ドッグというのも日本で始まったものですし。非常に日本人は健康診断好きと言われていて、健康診断神話、というものがあるんです。

上杉:あと、これもツイートなんですが、いま目についたんで。子どもたちの髪の毛をとっておいてると。これまさに放射能の生活記録の部分ですが。これは有効でしょうか。

山田:意味あると思いますよ。公害やなにかもそうですけども、金属とか何かでも、髪の毛にしか残らないということですから、他のところを取っといてもね、保存が難しいんで。

上杉:なるほど、髪の毛。

山田:髪の毛で、補償がとれると思います。証拠にはなると思います。

上杉:その話をすると、結局、被曝してるということを前提で考えているようなんですが、実際、ほとんどの関東、東日本に住んでいる人たちは、低線量、量は違いますけれど、被曝してるのは当たり前なんですね。してない方がなかなか難しいんで。あとどれくらいの量かと。そして、子どもたちには将来があるんで。子どもたちは自分を守れませんので、ぜひともそれは親御さんたちが対応して頂きたいなと思いますが。

今日はちょっとですね、ツイッターがたくさん来すぎて追いきれません。次から次へとタイムラインが流れてしまうんで。

あとはとにかくお母さんがた、子どもさんのことが心配だという声が多いんですね。このような生活手帳ということもあるんですが、それ以外にですね、先生の話を直接聞きたいとか、あるいは相談したいとか。お医者様のなかでも(放射能のことで相談に行っても)大丈夫だと言ってしまう人が多い、医師会の中では。そういう、本当のことを言ってくださるお医者さんというのは、わからないわけなんですね。そういう声を聞くにはどうしたらいいんでしょうかね。
山田:いま、医者を私の友達たちに集ってもらっていますけども、やっぱり相談窓口みたいなものも作らないといけないと思っていますが、ただ、当面ですね、さっきも言ったように急性症状というものは出ていないと思いますから、それよりも、今はなるべく被曝をしないというふうに全体で気をつける、ということと、

それから、総体的に言えば、国が言ってる基準値だとか、安全だっていうのを信じられなくなっている人がものすごく多いと。それはやっぱり、ほんとにちゃんとしたデータを出してこなかったからだと思うんですね。こんなにいいかげんに基準値や何かを変更していくというのは、今まであんまりやったことはないと思うんですけども、それぐらいやっぱり、基準値をどんどん変えなきゃいけないぐらい大変なことが起こったということの証明ではあるんでしょうが、そういう意味では、本当にちゃんとした値をきちんと出してほしい、ということですよね。

そんな、みんなが、自分で測らないことには正確なところがわからないと思ってるような状況というのは、異常な状況ですから。それはちゃんとしたものを出してくれた上で、当面はだから、何が危険かっていうものを、きちんと国が言ってくれるべきだと思いますね。

上杉:3月11日からずーっとそれを言ってるんですが、なかなか国がそれを動かない・・・

山田:どうしてですかね。

上杉:これはもう日本人一億総専門家と言ってるんですが、結局、マスメディアが機能していないために、他の国だったらさすがに何とかしろってことになるんですが、ほんとに大手メディアはそういう情報隠蔽に加担する癖がついてしまってるんで、たぶん自分たちはわかってないと思うんですね。
結果的として国民や国家の信用を毀損し、国民の健康の被害に加担した加害者でもあるんですが、そろそろ気づいていただきたい、ということなんですが。

山田先生のですね、健康相談会があるんですね。

西谷:これまで二回行っていて、次回が7月17日に行われるということです。

上杉:これは福島で。

山田:ええ。

上杉:東京ではやらないんですかね?

山田:ええっと、東京では・・・やるとすれば東京全域になっちゃうんで、ちょっとそこまで、なかなか私たちの方でも手が回らないですし、やっぱり何事もとにかく重点的に一番大変な人からやる、ということで、いまやはり福島で、福島でもいきなり福島県民全域をやるとかそんな規模だと、いいかげんなものしかやれないわけですよね。なるべくきちんと時間をとってお話を聞いて、不安を取るということだと、やっぱりほんとに大変なとこからやるしかない、と思うので。

あとは、東京なんかだと、それぞれの地域で、そういうネットワークみたいなものを作って、協力して下さるお医者さんを探して、ということで、それぞれのところで作って欲しい、と思いますね。

上杉:東京でもホットスポットがあり、千葉でもそうですが、これはほんとに福島のみの問題じゃなくて、日本全国、日本人全体の問題だということで、放射能と付き合っていくしかないわけですから。その対応をきちんと考えて、行動するしかないのかな、と思いますね。今日はありがとうございました。

西谷:ありがとうございました。

山田:失礼しました。


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